ビタミンB6とは
ビタミンB6は8種類ある水溶性ビタミンのうちの1つです。ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキサールなど同様の作用をする10種類以上の化合物の総称です。
ビタミンB6の働きには大きく3つあります。
1つめはエネルギー代謝への関与です。ビタミンB6は3大栄養素のうちの主にタンパク質の代謝に関与していて、さらに一部脂質の代謝にも関与しています。タンパク質は体内でアミノ酸に分解されます。アミノ酸には20種類ありますが、そのうちの12種類は体内で合成することができます。ビタミンB6はタンパク質をアミノ酸に分解する時と、分解されたアミノ酸を他のアミノ酸に合成する時の両方に深く関わっています。タンパク質からは様々な体組織が作られますので、ビタミンB6が不足してしまうと、皮膚炎・舌炎・吹き出物などができやすくなるだけではなく、免疫力が低下したり、中枢神経が興奮状態となるなど神経を正常に保つことが難しくなります。
2つめは動脈硬化の予防です。アミノ酸の1つであるホモシステインの血中濃度が高くなると、動脈硬化・心筋梗塞・狭心症・脳卒中などのリスクが高くなります。このホモシステインの血中濃度を抑える働きをするのは葉酸ですが、ビタミンB6は葉酸の働きを助けています。
3つめは月経前症候群の軽減です。女性は月経前の排卵期には、エストロゲンという女性ホルモンがアミノ酸の代謝を促します。そのため、ビタミンB6が大量に消費されることにより、血中のビタミンB6濃度が低下してしまいます。この血中ビタミンB6濃度の低下が原因で、頭痛・吐き気・体のだるさ・イライラなどが引き起こされるため、女性の排卵期には積極的なビタミンB6の摂取が勧められています。また、妊娠初期のつわりの症状改善にも、ビタミンB6の有効性について報告されています。
ビタミンB6はまぐろやかつおなどの赤身の魚や肉類のレバーに多く含まれます。それ以外ではにんにくや唐辛子などにも含まれています。