ビタミンD3とは
ビタミンDは脂溶性ビタミンでありD2~D7までありますが、効果があるのはこのうちのD2とD3の2種類です。D2は植物から生成され、D3は動物から生成されます。人体内でも太陽の光に含まれる紫外線を浴びることによって、皮膚表面で生成されます。しかし、体内で生成される量では足りないため、食事によって摂取が必要です。対外から摂取したビタミンD2・D3と体内で生成されたビタミンD3は、いずれも同じ性質で同じ働きをします。
ビタミンD3の働きには大きく3つあります。一番有名なものはカルシウムに関わる働きで、くる病や骨粗しょう症と深い関係がある栄養素です。
1つめは血中カルシウム濃度の上昇効果です。ビタミンD3は体内に摂取されると肝臓を経由して腎臓に運ばれ、活性型ビタミンDへと代謝されます。この活性型ビタミンDが、小腸ではカルシウムの吸収を促し、腎臓ではカルシウムの再吸収を促進させてくれます。また必要のない活性型ビタミンD3は、尿として排泄されます。これらの働きによって血中のカルシウム濃度を一定に保っています。
2つめは骨の形成の促進です。骨細胞は、常に形成と破壊を繰り返すことによって正常な状態に保たれています。ビタミンD3は骨の破壊(骨吸収)に作用することで、骨の形成を促しています。そのため、骨粗しょう症の予防や治療にも効果が実証されています。
3つめはがんの予防です。ビタミンD3には、1つめと2つめに挙げた働きをカルシウム作用といいますが、非カルシウム作用という働きもあります。この非カルシウム作用には、具体的にはがん細胞の増殖を抑制したり正常な細胞へと分化誘導する作用のほか、甲状腺ホルモンや免疫を調整する作用もあります。まだまだ研究開発の途中ではありますが、がんの予防や白血病・悪性腫瘍の治療にも効果を認められはじめています。
ビタミンD3が多く摂取できる食品は、魚類です。一部のきのこや鴨肉や玉子などにも含まれてはいますが、魚類には遠く及びません。魚類であれば種類を問わず、1日の必要量を十分に満たしているものがほとんどです。