ナイアシンとは
ナイアシンはニコチン酸とニコチン酸アミドの総称です。水溶性ビタミンであるビタミンB群のひとつであり、ビタミンの中では体内に最も多く存在しています。
ナイアシンの働きには大きく5つあります。
1つめはエネルギー生産を助ける働きです。
ナイアシンは三大栄養素をエネルギーに変換する代謝を補う働きがあります。体がエネルギーを生み出すエネルギー代謝の60~70%にナイアシンが関係しています。また体内での働きにナイアシンを必要とする酵素は400種類以上あり、人体における酵素の約20%にものぼります。そのため、栄養素として摂取が必要な量も他のビタミンB群よりかなり多く、およそ10~20倍にもなります。
2つめは二日酔いの防止です。
お酒のアルコール分は腸で吸収された後、肝臓に運ばれてきます。肝臓でアルコールは分解・解毒されますが、ナイアシンはこのアルコールの分解・解毒作用を補う働きがあります。アルコールをよく飲む人ほどナイアシンが不足しがちですので、意識して摂取を心がける必要があります。
3つめは皮膚や粘膜の維持・改善効果です。
ナイアシンは脂肪酸が体内で合成されるときに水素を供給する役割があります。この働きによって、皮膚や粘膜の健康を維持し、性ホルモンの正常な発育を促します。
4つめは血行を良くする働きです。
ナイアシンは毛細血管を拡げる働きがあるため、血行を促進させ冷え・肩こり・頭痛などを改善してくれます。
5つめは動脈硬化の予防・改善効果です。
ナイアシンには脂質の代謝を促進する働きもあり、血中のコレステロールや中性脂肪を減らす効果があります。そのため、動脈硬化などの脂質異常症治の療薬としても使われています。ただしナイアシンはインスリンの合成にも関わっているため、糖尿病の場合には摂取に注意が必要です。
ナイアシンを多く含む食品は魚や肉です。またきのこ類や種実類にも含まれていますが、通常の野菜や果物ではほとんど摂取することができません。