ケルセチンとは
ケルセチンはフラボノイド中でもフラボノール類に分類され、もともとビタミンPと呼ばれ、水溶性ビタミンとされていました。ケルセチンという成分名は「オークの森」というラテン語に由来しており、古くは黄色の染料にも用いられていました。ちなみに、ケルセチンに糖の1種であるルチノースが結合したものがルチンです。ルチンと同様、現在はビタミンではなく水溶性のビタミン様物質とされています。
ケルセチンには3つの大きな働きがあります。
1つめは血流を改善する効果です。
ケルセチンは他のフラボノール類と同様に抗酸化作用を持っており、ビタミンEと比べてもはるかに強いものです。その抗酸化作用で活性酸素によるダメージを防ぎ、赤血球の活動を活性化させ血流を改善します。それによって、血圧の上昇を抑える効果もあります。
2つめは生活習慣病の予防です。
これもケルセチンの抗酸化作用によるもので、血中のコレステロールの蓄積を防ぎ、血糖値上昇を抑制する働きをします。ケルセチンの摂取量が増えるほど、血中のコレステロールが低くなるという調査結果もあり、それによって動脈硬化・高脂血症・糖尿病・高血圧などの予防や抑制に効果があります。
3つめは関節痛の緩和です。
ケルセチンは抗酸化作用とともに抗炎症作用も持っています。膝などの関節は年齢とともに負担が増加しやすく、変形性関節症などの症状が増えていきますが、ケルセチンをグルコサミンやコンドロイチンと一緒に摂取することで、症状を緩和・改善する効果があるといわれています。それ以外にも、慢性の非感染性前立腺炎の治療への有効性も示されていますし、ケルセチンを多く含む玉ねぎやリンゴをよく食べている人は心臓病の発症率が低いという調査結果もあります。
ケルセチンは玉ねぎやりんごに多く含まれています。その他にはレモンやオレンジなどの柑橘類やそば・緑茶などもケルセチンが多く含まれる食品です。野菜や他の果物にも含まれていますが、肉類・魚介類などにはまず含まれていません。