パトテン酸とは
パントテン酸はビタミンB群に属するビタミンで、ビタミンB5と呼ばれていたこともあります。水溶性ビタミンのため、水に溶けやすく熱に弱いという性質を持ちます。「パントテン」とは「どこにでもある」という意味で、その名前のとおり肉・魚・野菜・果物など様々な食品に含まれるだけではなく、腸内でも合成されます。そのため、摂取量不足ということはほとんど起こらない栄養素です。
パントテン酸には3つの大きな働きがあります。
1つめはエネルギー代謝です。パントテン酸は3大栄養素の中でも糖質と脂質の代謝に深く関わっています。また脂肪酸の合成やアミノ酸の代謝にも関与しています。
2つめは善玉コレステロールの増加です。コレステロールは人体にとって必要なもので、運搬や回収の違いで善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)の2種類があります。LDLは増えすぎると酸化して血管を狭くしてしまいますが、HDLは増えすぎたLDLを回収してくれます。パントテン酸はこのHDLを増やしてくれます。
3つめは抗ストレス作用です。人はストレスを感じると副腎皮質ホルモンという抗ストレスホルモンを合成します。パントテン酸はこのホルモンの合成を助ける働きをします。パントテン酸の摂取量が不足するとストレスが増え、エネルギー代謝が鈍り、免疫力が低下して、疲労感も増大します。
これらの大きな3つの作用以外にも、免疫力を高める働きがあったり、性ホルモンなどの合成に関係したりしているほか、摂取した薬剤の解毒作用にも関与しています。また細胞膜を構成する栄養素としてヘモグロビンなどの中に存在しています。
パントテン酸は、最初に触れたようにとても多くの食品に含まれている栄養素です。もちろん、あらゆる食品の中に含まれているとはいっても含有量は食品によって違い、最もパントテン酸を多く摂取できる食品はレバーです。鶏・豚・牛どのレバー多く含まれており、それ以外では納豆や魚卵などが挙げられます。