葉酸の重要性&理想の摂取時期って?
欧米では、1990年代より、妊娠が発覚するとすぐに葉酸摂取の推奨が積極的に行われるようになりました。
日本では、2002年、厚生労働省が妊婦に葉酸摂取の推奨を始めて以降、葉酸を摂取する妊婦は増加しました。しかし、欧米と比べると日本の葉酸摂取の意識はまだまだ低いと言われています。
しかし、一体なぜ、葉酸が必要なのでしょうか?
また葉酸を摂取するベストな時期とは一体、いつなのでしょうか?
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葉酸が必要な理由とは
葉酸は、水溶性のビタミンB群の一種で、妊娠ビタミンと言われている程、妊娠中には欠かせない栄養素です。
なぜなら葉酸には、胎児の先天性疾患の一つ、神経管閉鎖障害の発症リスクを低減してくれる働きがあるからです。
神経管閉鎖障害とは、中枢神経である脳や脊髄を形成する神経管と呼ばれる細胞が上手く作られなくなることで、脳や脊髄が正常に成長しなくなる疾患です。
神経管の上部に閉鎖障害が生じた場合、無脳症となり、流産や死産のリスクが高まります。神経管の下部に閉鎖障害が生じた場合、二分脊椎となり、歩行障害や膀胱・直腸機能障害などの障害が起こります。
葉酸には、細胞分裂と増殖を行い、組織と臓器の正常な形成を助ける働きがありますので、
葉酸を摂取すると神経管閉鎖障害の発症リスクがしっかりと抑えられます。
また細胞分裂をサポートする葉酸を摂取すると、質の良い卵子、質の良い精子が作られていきますので、受精しやすくなります。
更に葉酸には、子宮内膜を強くしたり、子宮内の血行を良くする働きがありますので、葉酸を摂取すると着床率がアップし、受精卵が正常に成長していきます。
このように葉酸には、死産や障害、不妊等の発症リスクを抑えてくれる効果がありますので、健康な赤ちゃんを授かりたいと考える方は是非、葉酸を摂取していきましょう。
葉酸を摂るベストな時期とは
神経管閉鎖障害の発症リスクを抑えるには、胎児の脳や脊髄の形成が行われる妊娠初期である4週~12週までの期間に1日400マイクログラムの葉酸を取る事が良いとされています。
しかし、より確実に神経管閉鎖障害の発症リスクを抑える場合、超妊娠初期である妊娠0週~6週目までの期間に葉酸を摂取することが望ましいと言われています。
なぜならこの時期は、受精卵の細胞分裂、胎児の細胞分裂が最も活発に行われるからです。
この時期にしっかりと葉酸を摂取すると受精卵の正常な分裂をサポートすることで、胎児の脳や脊髄の形成がより正常に行われるようになります。
ですが妊娠に気づいた時には、既に妊娠6週を過ぎてしまっていることがありますので、出来れば妊娠する一ヶ月前から葉酸を摂取することをオススメします。
妊娠前から葉酸を摂り続けていけば、不妊症のリスクもしっかりと抑えられるようになるでしょう。事実、欧米では妊娠を予定している女性にも1日400マイクログラムの葉酸の摂取を積極的に推奨しています。
このように葉酸は、健康な赤ちゃんを授かりたい人だけでなく、赤ちゃんを授かりたい人にも非常に重要な栄養素ですので、妊娠中、妊活中の方は、是非、葉酸を摂取していきましょう。