乾燥酵母とは
乾燥酵母とは酵母を乾燥させたもので、酵母が生きたまま休眠させて乾燥されたものと、酵母が生存していないものの2種類があります。酵母そのものは現在350種類以上が確認されていますが、乾燥酵母として利用されているものの多くはパン酵母とビール酵母の2種類です。
パン酵母を乾燥したものはドライイーストとも呼ばれ、種類によって味や風味や保存性に違いが出てきます。製パンに使用される乾燥酵母は、生存している酵母を乾燥させたもので、日本で開発されました。
ビール酵母は、ビールを製造する工程で作られる酵母で、酵母によってビールの種類や風味が違ってきます。薬用や健康用として使用されている乾燥酵母のほとんどは、ビール酵母から作られています。その価値は戦前から認められており、兵隊の栄養補給食品として利用されていました。タンパク質・ミネラル・ビタミンB群・消化酵素・食物繊維など、人体に必要とされる栄養素が数多く含まれています。特にタンパク質は、人体に必要不可欠とされる9種類の必須アミノ酸の全てが含まれています。
特定保健用食品にも認められるほどの乾燥酵母には様々な働きがあります。
1つめは糖質の吸収の抑制です。もとも酵母のもつ発酵という働きは、糖質を分解して自ら分裂・成長することであり、体内の過剰な糖質を分解して糖質の過剰摂取を抑制する働きがあります。
2つめは便秘の改善です。酵母には腸内での消化吸収を助ける効果があります。また酵母には食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維は腸を刺激して腸内の食べカスの排出を促し、また腸内菌の環境を整えます。これらの働きによって、便通を改善する効果があります。
3つめは免疫力の向上です。酵母に含まれるβ-D-グルカンという成分が免疫細胞を活性化させるので、免疫力の向上に効果があります。
4つめは疲労回復効果です。酵母に豊富に含まれるビタミンB群は栄養素のエネルギー代謝に働きかけ新陳代謝を促します。そうして体内で多くのエネルギーを生み出すことで肉体の疲労を回復させる効果があります。