パントテン酸Caとは
パントテン酸Caとはパントテン酸カルシウムの略で、ビタミンB群の1種であるパントテン酸とカルシウムを結合させた物質です。パントテン酸はもともと水溶性ビタミンであるため水に溶けやすい性質ではありますが、カルシウムと結合させることさらに水に溶けやすくし、吸収効率を上げてあるものです。カルシウムはごくわずかであるため、栄養素としてのカルシウムの効果はあまり期待できません。パントテン酸カルシウムの多くは、医薬品やサプリメント・飲料・食品添加物・化粧品などの成分として含まれているものです。
パントテン酸カルシウムは、パントテン酸と働きや効果はほとんど同じですが、薬剤やサプリメントとしてのパントテン酸カルシウムが期待される働きや効果は大きく2つあります。
1つめは美容と健康に関する働きです。パントテン酸カルシウムはローヤルゼリーの主成分です。肌の水分と油分を保持し潤いのある肌を保つために重要なヒアルロン酸などの成分は、皮下で水分と混ざりセラミドを生成します。このセラミドは肌の角質層が剥がれるのを防ぐ役割があり、パントテン酸カルシウムはセラミドが紫外線などによって破壊されるのを防ぐ働きがあります。こうした美肌作用の他にも、脂質のエネルギー代謝を促す作用があるためダイエットへの効果、新陳代謝を高める働きがあるためデトックス・成長促進などの効果、免疫細胞を生成するため免疫力アップの効果、などがパントテン酸カルシウムの美容・健康への効果として期待されています。
2つめはアレルギーに関する働きです。パントテン酸カルシウムは副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)の分泌を増やすという働きがあります。医薬品としてのステロイド剤には、脱ステロイド時の副作用やステロイドリバウンドなどが懸念されるため使用に慎重な人も多いのですが、体内で生成されるステロイドホルモンにはこうした問題は全く起こらず、さらにアレルギー性皮膚炎などの炎症体質を改善する効果が期待できます。アメリカにおいては、パントテン酸カルシウムの摂取を推奨するところが増えてきており、アレルギーの初期治療としても使用されています。”